20代OLの瀬戸際

風の前の塵に同じ

「海の京都」を知っていますか

海の京都という言葉を聞いたことはあるだろうか。

そもそも京都に海ってあったかしらと首を傾げる方もいらっしゃるかと思うが、あります。北の方に。

北には例えば有名な天橋立なんかがあるわけですが、今回は更にその北、舟屋の見られる伊根に行ってきた。

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ご覧の通り海である。そして情緒あふれる木造の舟屋!

元々この町を知っていたわけではなく、数年前にどこかで開催されていた「海の京都」写真展のチラシを見て、その時に日本にこんな町並みがあるとは…!と衝撃を受けたのであった。

その写真展には結局行けなかったのだが、いつか行こうという思いは忘れ去られることなく、今回こうして成就したという次第である。

 

これまで大阪出張が数ヶ月あったのでその際に行こうかとも試みたのだが、いかんせんアクセスはあまりよろしくない。京都市から天橋立まででも2〜3時間ほどかかるのだが、更にそこから1日数本の路線バスに揺られて1時間ほどかかる。

宿泊にはWaterfront Inn 与謝荘というところを利用させていただいたのだが、その最寄りのバス停までは実に44のバス停が挟まれていた。バスって電車よりも簡単に乗り過ごしてしまいそうでどきどきする。

そんなわけなので東京から出発すると、10時10分の新幹線で宿に到着したのが大体16時くらいという距離感であった。結構な旅感がある。

 

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しかしでは交通機関に揺られに揺られてたどり着いた甲斐があったかといえば、それはもうあった。とてもあった。

カモメが舞い、始終波の打ち寄せる景色と音とに包まれながら安心して眠りにつく時間は都会暮らしの身には心に沁みた。街灯も少ないから夜は静かになる。湾を挟んで遠くの舟屋からは暮らしの灯りがかすかに漏れている。

 

「海辺で読書をしたい」という思いだけで来たので2泊をただひたすらに、波のようにゆったりのったりと過ごしたのだった。よしもとばななの「アムリタ」を読んだ。

ただ、純粋に観光をするだけなら2泊は不要で、むしろ日帰りでも済んでしまうかもしれない。伊根と一口に言えども南から北へ、湾の形に合わせ複数のまとまりがあるのだが、町内ではレンタサイクルがあり(無料。複数のレンタルスポットで自由に乗り降り可能という優れもの)、舟屋群は自転車に乗れば1時間もかからずに見て回れるのではと思う。

他の楽しみどころとして、オーシャンビューのおしゃれなカフェが複数ある。到着初日に舟屋日和という名の観光向けに整備された場所にあるカフェ(INE CAFE)を訪れ、その眺めにいたく感動したので次の日もカフェ巡りに精を出そうと思って4件だか5件だかを回ったら全部定休日だったり突発的な休みだったのでそこは少し残念だった…巡り合わせが悪かった。ハイシーズンだったり週末だったらどこかしらは開いていたんだろうか。伊根のカフェをまとめたページがRETRIPにあるので興味を持たれた方はご参照ください。

 

また、コンビニもないし、商店的なところも夜はすぐ閉まってしまう、宿は複数あるもののキャパシティ自体は大きくない(1日1組限定のところが結構ある)、など、他の京都内の観光地ばりに育てていくには色々な障害がありそうだが、この景色と舟屋に泊まるという体験はあまり他に類がない(と思う)ので、もう少し知名度が上がっても良いのではないかと思う。「海の京都」ってフレーズも意外性があって印象に残るし。HPも結構気合が入っているし。

今はどちらかというと日本人より外国人に知られているのではないか?…と思うほどには中国人や韓国人の観光客がいた。逆にどこで知ったんだろう。

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以下余談。

天橋立経由で京都市内に戻りそこでも1泊したのだが、天橋立に戻る際にGoogle Mapの指示通りに乗った列車が観光列車(丹後あかまつ号)だった。1杯ドリンクサービスもあるし窓側にカウンター席があって景色を思う存分堪能できるし見所では止まってくれるし、何より車体がかわいい!得した気分。観光列車って良いですね…観光列車に乗ることを目的とした旅も楽しそうだ。

天橋立はぴゃーっと白浜+松が伸びているあの両端それぞれにビュースポットがあるのですが、天橋立ランドの方に行ったらビュースポットと共に小さな遊園地があって情緒があった。それにしても天橋立そのものは奇景である。何をどうしたらあんな地形になってしかも松が生えるの?冷静になるとおかしくないか?

京都市内に戻ってからは人生初めての比叡山に行った。曇っていたため残念ながら琵琶湖は望めなかったのだが、帰りの山道のバスでふと藤の花が咲き乱れていることに気がついた。これまで藤棚の藤しか見たことがなかったので強く印象に残っている。山の藤は自由だ!手の届かない高さから好き勝手に蔓を伸ばし藤色の雨を降らせる。