20代OLの瀬戸際

風の前の塵に同じ

HSP・HSSという窓枠

私が25年かけてもやもやしていた事象がたった1冊の本で氷解した話。

 

さていきなりですが、「HSP」という言葉をご存知でしょうか。

いかにも怪しげな横文字ですが、Highly Sensitive Personの略語です。つまり雑に訳すと、「刺激に対してめちゃくちゃ敏感な人」のことです。

では具体的にどういうことかというと、たとえばこんな傾向がある人はHSPに該当する可能性があります。

  • 人が沢山いるパーティーに行くと疲れてしまって最後まで残っていられない
  • 些細な音やにおい、肌触りが気になって仕方がない
  • 物事をじっくりと考えることが好き
  • 会話の際に、自分が発言する内容や相手の反応を脳内で事前にシミュレートしている
  • 他の人が怒鳴られていても、自分が怒鳴られたかのように感じて勝手に傷つく
  • 何か不穏な空気を感じ取ると、なんとかして明るい方向へ持っていきたくなる
  • 直感的に何かを閃くことが多い

何でこうしたことが起きるかというと、根っこの原因は一つで、他の人よりも外的な刺激に対する反応が大きいという遺伝特性のせい、らしい。

例えば、誰かと話していると、相手の表情や仕草から言外の意味合いまで様々な情報を刺激として受け取ってしまうため、あれやこれやと気をまわしながら喋ることになり、結果疲れてキャパオーバーになってしまう、と。

ちなみに、これらの特性は通常「内向的な人」としてカテゴライズされているけれど、HSP=内向的とも限らない(HSPだが外向的、という人も3割くらいいるそう)。先天的な特性なので、HSPの人には子ども時代から一貫してHSPの特徴が見られるとな。

 

なるほど私も思い当るところがあるぞ、という方は是非こちらの本を。冒頭に48問の簡易診断チェックリストがあります。

鈍感な世界に生きる 敏感な人たち

鈍感な世界に生きる 敏感な人たち

結果は-52点~+140点の間に収まり、60点以上ならHSPの可能性有、ということでやってみたら93点でしたHSPじゃないか!

 

そして一度自分がHSPという前提に立って、HSPを説明するウェブサイトやら本やらを読むと、もう、わかりみフェスティバルなわけですね。わかりみフェス。

幼稚園の時防災訓練の非常ベルの音が大嫌いで鳴る度にぴーぴー泣いてたなとか、昔から服のタグは必ず切るしセーターは痒くて着れないとか。身体のどこを誰に触れられても異常にくすぐったくなるとか。

このTwitterの漫画なんかも、もう一コマ一コマのわかりみがありすぎて、はーわかりみと呟いていたら読み終わるまで5分位かかりました。それは盛ったけれど。

 

こう、多数派ではない(5人に1人くらいだそう)性質なのでなんかちょっと恰好良いじゃん…!という廚二マインドが騒ぎ出すのですが、実際良いことあるのかって言われたらたぶんあんまりないんですよ。

仕事なんて特にね、会社の他の人と比べて何で私はこんなに打たれ弱いんだろうとか、咄嗟の反論ができないんだろうとか、一つ失敗したことをいつまでも引きずりたくないのにとか、「気にしすぎじゃない?」「真面目なんだね」とか、もう本当にね。辛くてですね。特に社外の人にインタビューなんかして、その人が非常に敵対的だったりネガティブだったりすると、始終胃がちくちくして終わったとたんにぐったりして暫く動けなくなるとか、そういったことが色々あるわけです。

仕事じゃなくても、こんなに高頻度で泣いてしまうのは良い成人なのにどうなのかとか、明らかに「こうしてほしい」という意図を持って動作している人に対して周りが気付いていないと苛々してしまうとか、友達とせっかくの旅行に行っても途中で一人の時間を取れないとどうしても頭がぱんぱんになってしまうとか。とかとか。ありあまる社会不適合感。

 

でも不思議なもので、それはこういう特質による現象なんですよ、と名前を授けられるだけでめちゃくちゃに気持ちが楽になった。自分が悪くて自分の問題なのだと思っていたらそうではなかった。呼吸ができる。

最近だと発達障害とかADHDなんかも名前に伴って理解が広まっているように感じる、それで助かった人もやはり沢山いるのだろうな。何でもかんでも分類して名前を付ければいいというわけでもないのだろうけれど、でも良いことだ。

 

ところで、HSPとは別に「HSS(Highly Sesation Seaker)」という特質も世の中にはあるのだそうで。こちらは「刺激を追求したがる人」のことです。

新しいことしてみたい、知らないところを探検したい、毎日ルーティーン作業が続くと心が死んでしまう、という傾向にある人のことをそう呼ぶらしいのだけれど、困ったことに、これも当てはまるんですね。

こちらも簡易診断があるのでご参照ください。

High Sensation Seeking Test - あなたは刺激追求型HSP?セルフテスト

女性の場合は20問中11問以上のYesでHSS傾向有り、ということなのですが14問当てはまりました。つまり、私はどうやらHSP且つHSSであるらしい。

 

すると何が起こるかというと、もうこれもすごい納得がいくのだけれど、一人旅大好きなくせに旅先で一言も話さない旅人が誕生するわけです。地元の人と交流とか、そんなことは一切しない。自分の思うがままに探検して興奮して満足するのが1番良い。その一方でちゃっかり疲労は感じるので帰宅するとしばらく動けなくなる。自分でも一体これは本当にあるべき一人旅の姿なんだろうかと疑問に思い続けてきたけれど、そりゃそうなるわな、と。

あとは割ところころ環境を変えるくせにキャッチアップには時間を要したり。学生時代のバイトも一つを長くではなく、常時2~3つを掛けもって、且つその中身を順次入れ替えていた。自分でそうしたスタイルを選んでいるのに、毎回慣れるまではちゃっかりとストレスを感じていた。

Strength Finderの上位5資質が上から順に「適応性」「共感性」「内省」「親密性」「調和性」だったのもまさしくそういうことなんだろうなって…

 

せめて外向的な人間だったらこの特質を活かしてなんかサービス業なり起業家なりで成功するのだろうけれど、知らない人と話したくない気持ちが強すぎるのでそのような未来は見えない。

なので、じゃあこの先どう生きていくのが自分にとって良いのかは極めて不透明なのだが、自分にとって良い刺激(芸術やら森林浴やらアロマを焚いてみるやら)を集めながらこれらの特質となんとか付き合っていきたい所存です。

  

ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。 (SB文庫)

ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。 (SB文庫)

HSPの名付け親であるアーロンさんの本。上に挙げた本だけでなくこっちも読みたい。

 

「敏感すぎる自分」を好きになれる本

「敏感すぎる自分」を好きになれる本

日本人だとこちらの長沼さんが研究を進めていて複数本を出されているご様子。